デスクワークなどで長時間パソコンの前に座っていることが多い人の中には、次のような悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
僕も5年ほどリモートワークでWebサイト制作の仕事をしていますが、慢性的な腰痛や仕事へのマンネリ感に悩まされ続けていました。
しかしある日、「テンキーをキーボードの左側に置いてみよう!」と思い立ち、実際に約10か月間試したところ先述の悩みが解決したので、共有させていただきます。
「この人、いきなり何を言っているの…?」と思われたかもしれないので、テンキーをキーボードの左側に置くメリットや有用性についても解説していきます。興味のある方はぜひ読んでみてください。
テンキーをキーボードの左側に配置する方法
今までは通常のテンキ付きキーボードを使用していましたが、新たに「テンキーレスキーボード」と「外付けテンキー」を1台ずつ購入し、左テンキー環境を構築しました。

上の写真は、僕のお気に入りのテクニカルキーボード「ProgresTouch TKL(Archiss)」と、同シリーズの外付けテンキー(2024年時点ですでに終売していたため、メルカリで購入)の組み合わせです。
この記事を執筆するにあたり、Amazonで「テンキー 左側」と検索してみたところ、遅ればせながら左側テンキーの一体型キーボードを発見。
すぐにやめる可能性もあったから、最初はお試しでこっちを買えば良かったかも。笑
テンキーを左側に置くメリット
テンキーをキーボードの左側に配置するメリットは次の2点です。
パソコン作業中の姿勢が改善する
パソコンメーカーNECのページ からだに優しいパソコン利用法 では、身体の負担を軽くするために適したキーボード配置について、次のように説明されています。
キーボードはホームポジション「H」キーと「J」キーがディスプレイの中央にくるように配置すると自然な動きで操作できます。
NEC LAVIE公式サイト 肩こりや目の疲れを防ぐ からだに優しいパソコン利用法
キーボードの文字入力部分がディスプレイ(身体)の正面に来る位置が良いということですね。
通常のテンキー付きキーボードの問題点
先ほどの情報をもとに、普通のテンキー付きキーボードで「H」キーと「J」キーが身体の中央にくるよう配置を調整してみましょう。
この場合、マウスを操作する際に右腕を少し遠くに伸ばす必要があるため、肩や腕への負担が増してしまいますね。
今度はマウスが遠くならないように、キーボードを少し左にずらしてみましょう。
僕はもともとこの配置を使っていましたが、タイピング時に少し左を向く必要があり、その結果、腰に負担がかかり続けて腰痛を抱えるようになってしまいました。
左テンキーなら身体に優しい姿勢で作業ができる
では、テンキーをキーボードの左側に持ってくるとどうなるでしょうか。
ご覧いただいたように、キーボードとマウスが理想的な配置になるため、パソコン作業中の姿勢が改善され、身体への負担を軽減することができます。
作業効率が上がる
左テンキーは、次のようなソフトを使用する作業との相性が抜群です。
例えば、データ入力やWebサイトのテキスト流し込み作業では、「マウスで入力箇所を選択し、そのあと数字を入力する」という動作を繰り返すことがよくありますよね。
これを通常のテンキー付きキーボードで行う場合の右手の動きに着目してみましょう。



(以降②と③をループ)
右手が常にマウスからテンキーへと動き回っていて忙しそうです。
続いて左テンキーで同じ作業を行う場合の右手の動きを見てみましょう。



(以降②と③をループ)
安心してください、お使いのディスプレイは正常です。
ご覧のとおり、数字の入力を左手に任せることで、右手はマウス操作に専念できるため、マウスの上から右手を移動させる必要が無いのです。
また、左テンキーにすると文字入力部分とマウスの距離が近くなり、全ての動作において右手の移動距離が短縮されるため、どなたでもその利便性を実感できるはずです。
実際にテンキーを左側に置いて10ヶ月使ってみた感想
「すぐに飽きてやめるだろう」とダメ元で始めた左テンキーですが、今ではすっかり作業環境に馴染み、元の環境には戻れないほど気に入っています。
実は、初めて左手でテンキーを操作した際には、その難しさに思わず「あ、無理!」と声を上げてしまいました。
しかし、3ヶ月ほどかけて左テンキーへの矯正を続けた結果、その時間と労力に見合うだけの快適な作業環境を手にしたと思っています。
左手でのテンキー操作に慣れるまでかなり苦労した
今ではすっかり使いこなせるようになったものの、最初はテンキーを左手で操作するのが本当に難しかったです。
特に、数字に対応する指が右手と左手で異なるため、今までに染み付いたクセを矯正するまで誤入力の連続でした。
テンキーで「4」を入力する際、右手では人差し指を押すクセがついてるため、左テンキーでも人差し指を押してしまう。しかし、左手の人差し指を押すと「6」が入力されてしまう。
最初は「しばらく使えば慣れるでしょ!」と軽く考えていましたが、それは大きな勘違いでした。こちとら初めてパソコンに触れた時からずっと右テンキーを使い続けてきたわけで、そう簡単に矯正できるわけもなく…。
ゲーム感覚で練習
左テンキーに変えてから1ヶ月が経っても、一向に慣れる気配がなかったため、無料でタイピング練習ができるe-typingというサイトで空き時間に左テンキーの練習をしました。
まるで格闘ゲームでコンボ練習をしたり、シューティングゲームでBOT打ちをしたりするように、淡々とスキルを高めていく感覚です。(楽しい)
タイピング練習の頻度は週に3~4回程度。気が向いたときに軽く練習するだけでしたが、3ヶ月も経つ頃には、ほとんどストレスなく入力できるレベルに到達しました。
苦労の先に超快適な作業環境が待っていた!
3ヶ月ほどかけて左テンキーへの矯正を果たしたわけですが、その時間と労力に見合うだけの十分な見返りを手にしたと思っています。
腰痛が治まった
驚くことに、リモートワークに切り替えてから5年間悩まされていた腰痛がすっかり治まりました。
左テンキーに変える前は、パソコン作業中の姿勢が改善するでご紹介したNGの配置だったため、少し身体をひねりながらタイピングをしており、それが腰にダメージが蓄積させていたのだと思います。
一日中パソコンと向き合う生活をしているため、腰痛については半ば諦めていましたが、これほどアッサリと改善するとは思わず、嬉しい結果となりました。
右手の疲労感が減った
先ほど作業効率が上がるでご紹介したように、テンキー操作を左手に任せることで右手のムダな動作が省略され、一日の作業終了後に感じる右手の疲労感が減りました。
ほぼ同じ時期にマウスをトラックボールに変更した効果もあってか、以前と比べて右手の負担が(当社比)2分の1くらいに減ったように感じます。
仕事のマンネリが解消した
仕事では毎日同じような作業が続き、マンネリを感じることが多かったのですが、左テンキーへの挑戦は脳トレのようで、とても楽しく取り組むことができました。
なかなか上達せずにもどかしい思いをする瞬間もありましたが、習得すれば一生物のスキル(自転車とかと同じ)なので、諦めることなくじっくりと取り組めたのも良かったです。
まとめ
今回の記事では、テンキーをキーボードの左側に置いてみた感想をご紹介しました。
左テンキーは本当に快適で、個人的にはもう以前の環境には戻れないほど気に入っています。
もしも左テンキーに興味を持たれた方で長時間のパソコン作業で身体の不調を感じていたり、より快適な作業環境を手に入れたいという人はぜひ挑戦してみてください!
左テンキーに挑戦したい人におすすめのテンキー & キーボード
「左テンキーに切り替えるぞ!」』と意気込んで、初めから高価なテンキーやキーボードを購入しても、左テンキーに馴染まずに後悔する可能性があります。
まずは低価格の外付けテンキーやキーボードで試してみて、馴染んできてからお気に入りのアイテムを揃えるのがおすすめです。
外付けテンキー
低価格で販売されているメンブレン式の外付けテンキーがおすすめです。配線がごちゃごちゃするのが気になる人はワイヤレスタイプのテンキーを選ぶと快適に使えるでしょう。
有線タイプ
ワイヤレスタイプ
テンキーレスキーボード
テンキー一体型キーボードしか持っていない!という人は、先ほどご紹介した外付けテンキーの他に、テンキーレスキーボードも用意しましょう。
こちらも外付けテンキー同様にメンブレン式が安価でおすすめです。有線・ワイヤレスお好みのモデルを選びましょう。
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